あけましておめでとうございます🎍
新年あけましておめでとうございます。
皆様におかれましてはつつがなく新しい年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
昨年はコロナによる感染が続く中、保育においては置き去り事件や不適切保育など暗いニュースが話題となった一年だったと感じています。ニュースをご覧になられて、うちの子の園は大丈夫だろうかと不安になった保護者もいらっしゃるかもしれません。
いずれのニュースも、よくある解説では、原因は保育士の配置人数の問題や保育士業務の忙しさ、園長の監督責任等が挙げられていましたが、私個人的としては、もっと根底となる園における保育の在り方(保育理念)、およびそれを支える保育士個々の「子ども観・保育観」にも問題があったのではと考えています。
保育園をはじめとする保育施設では、園がどういう存在でありたいかというその最も根本的な考え方を示した『保育理念』が存在します。私たち職員は、その保育理念を実現すべく日々保育にあたっていますが、立派な言葉だけが存在していても理念の実現はできません。
理念実現のための土台として必要となるのが、保育士一人ひとりが持つ「子ども観・保育観」です。
子ども観とは子どもという存在をどのように見ているのか、保育観とは子どもの成長・発達を促すにはどのような方法が適しているかという価値観を指します。この2つは、お互い密接にかつ大きく影響しています。
例えば、子どもを「小さくて弱く大人がサポートしてあげないといけない存在」という子ども観で捉えていたら、おのずと保育士は「子どもを一人前にするために大人がしっかり指導・教育をしていく」という保育観を持ちやすくなります。そのため、どうしても主体が大人になり、子どもをきちんと「しつけ」ないといけないという思考になりがちです。不適切保育や虐待は、これらが行き過ぎたところの結果ともいえます。
逆に、子どもを「生まれながらに有能で、豊かな感性を持っている存在」という子ども観で捉えていたら、おのずと保育士は「子どもを一人の人として尊重し、一人一人の可能性を引き出すように向き合う」という保育観につながりやすくなります。そうすると、活動の主体は子どもになり、子どもたちがいきいき・のびのびとその子らしく活動できるための配慮を保育士は考えるようになります。それは決して大人の上から目線の指導ではなく、反対に子どものわがままや好き勝手を放置・許すのではなく、子どもも保育士も対等な目線でお互いを尊重し合える素敵な関係になります。子どもを一人の人として尊重することが当たり前にできている園では、自然とそのような雰囲気・環境になっているといえるでしょう。
子ども観はご家庭に当てはめることも可能です。上記の文章を保育士→親、保育観→子育て観と置き換えてみるとわかりやすいかと思います。
また、子ども観はその人が幼少からどう育って経験してきたかによって異なってくる価値観であるため、保育士が100人いたら、100通りの子ども観が存在します。同時に良い・悪い、正しい・間違いという物差しで判断することはできません。
そのため、こでまり保育園では職員一人ひとりの価値観とも向き合い、どうすればともに園の保育理念を実現できるかということを、職員と一緒に考えています。
今年は、国の動きでも4月にこども家庭庁がスタートし、また初めて子どもの権利を示したこども基本法が施行されます。
子どもを取り巻く環境が、子どもにとって有益になることを心から祈っています。