非認知能力について
2018年に「保育所保育指針」が大きく改定されました。
幼稚園はお勉強などの教育をするところ、保育園は預かる保育だけ、というイメージを持っている方もいるかもしれませんが、現在は幼稚園も保育園も同じ教育の指針が出されています。
今回、改定された内容の一つに『非認知能力』について言及されましたので、その点について触れたいと思います。
非認知能力とは
非認知能力とは、一般知能(IQ)とは関係のない、粘り強さ、協調性、やり抜く力、自制心、感謝する、などの能力です。
逆に、読み書きや英語などの一般知能(IQ)は認知能力と呼ばれます。
非認知能力は、これからの社会の中で生きていく上で必要となる能力といわれています。
昔から非認知能力は存在していましたが、これまで認知能力で通用する時代だったため、あまり注目をされていませんでした。
ところが、すでにグローバル化・少子化および高齢化・AIの発展が進んで、さらには世界規模で問題が複雑化し、答えのない課題が多数ある現代では、認知能力だけでは解決することができなくなってきました。
その中で注目されるようになったのが、自らの力で考え、判断し、行動していく力=非認知能力なのです。
かつては早い時期から読み書きや英語などの教育をすれば優秀な子に育つ、といわれてきましたが、現在では、はじめるのが早くても遅くても中学校ぐらいでほぼ差がなくなる、という研究結果が一般的になっています。
さらには近年の研究では、非認知的スキルは、学歴、賃金、昇進の違いに統計的に有意な影響を与えるという論文もでているぐらいです。
非認知能力を培うには
非認知能力は、0~3歳ごろまでにベースが作られ、およそ5歳ごろに原型ができ上がるといわれています。
最初のステップは、0~2才の段階でアタッチメント(愛着)をしっかり身につけることです。
具体的には、「基本的信頼感・自己肯定感・アタッチメント」の3点をしっかり身につけることが大事だということがわかっています。
当園でも、保育者との愛着がしっかり身に付くようひとり一人と向き合った保育を大切にしています。
ご家庭でも、ぜひ子ども自身の興味ややる気を尊重し、伸ばしてあげることを意識してみてください。
「おさるのジョージ」はよいお手本
最後に、個人的にまさにアタッチメントのお手本となる方を紹介します。
それは、アニメ「おさるのジョージ」に出てくる黄色い帽子のおじさんです。
ジョージが好奇心のままにどんなにハチャメチャに行動しても、おじさんは感情的に怒ったりせずに、必ず一度は受容してあげています。
アニメとはいえ、あの姿勢は保育者としても親としても見習うべき点が多いと感じました。
ぜひご参考ください🐵